毎月開催される Enju 開発ワークショップに参加した。会場は筑波大学春日エリアで開催。
- 日時: 2013年6月8日 10:30-18:00
- 場所: 筑波大学春日エリア 7D231
- 詳細: オープンソース図書館システム:Next‐L Enju 第16回開発ワークショップのご案内
今回のメイントピックはFRADに基づく著者名典拠システムの開発である。FRADとは Functional Requirements for Authority Data の略称であり、IFRAが策定した著者名典拠の機能要件をまとめたものである。
書誌レコードの機能要件をまとめたFRBRの拡張という位置づけであり、FRBRに基づいて設計された Enju には今後何らかの形で実装する必要があるとワークショップ参加者の中で注目されていた。
今回は数回にわたって議論し共有されたFRADのシステムへの落とし込みのアイデアを、Enju 開発者の田辺浩介さんがRuby on Rails のプラグインとして実装した。その成果はGitHub上で公開されている。このシステム(仮称:Zukan)は様々な規模の環境で運用されることを想定しており、NDL Authorities のように不特定多数が利用できるケースとしても、特定の図書館が独自の著者名典拠データを構築するケースにも適用出来るような方針で現在計画している。例えば専門図書館などでは需要があるのではないだろうか。
今後の Enju 開発ワークショップでは、今回実装した著者名典拠システム(仮称:Zukan)を Enju-leaf と連携できるよう改修する予定とのこと。また、既存の著者名典拠データ(NDL Authoritiesなど)を取り込む機能についても実装が検討されている。
次回のワークショップは7月20日に開催予定。ご興味のある方はぜひ参加されたい。
以上、備忘録程度にこのブログにて報告しておきます。